セミナーや講演に活かす!わかりやすい伝わる話し方のコツ3つの基本型
士業・専門家のトークスキルを磨いて売上向上につなげる、合同会社STYのアナウンサー、堀江政史です。
今回は、アナウンサーに加え、番組制作ディレクターとして活動してきた経験をベースに、セミナーや講演で使える話し方のコツをご紹介します。
主に、
1:ビジネスマン型
2:ストーリーテラー型
3:アーティスト型
の3つに分類することができ、これを身に着けると、受講者や聴衆の興味や理解を深め、満足度の向上につなげることができます。
Contents
セミナーや講演に活かす!わかりやすい伝わる話し方のコツ その1:ビジネスマン型
ビジネスシーンでは、「結論から話そう」と、よく言われています。
冒頭に、何を伝えたいのかを持ってくることで、相手も聞く準備ができ理解してもらいやすくなります。
ビジネスシーンで使われるからこそ、「ビジネスマン型」と名付けています。
その構成は、
●結論
↓
●理由
↓
●具体例
↓
●結論
といった流れになります。
結論から話すことには、時間短縮という側面からも、聞く側への配慮につながります。
他にも、国会議員と秘書の会話に見られると言われていますが、エレベーターに乗ってから降りるまでの10秒もないくらいの状況で、報告・連絡をしないといけないケースがあります。
こうなると、結論以外の情報を織り交ぜる余裕はありませんので、何を伝えるべきなのか、一言でまとめる力が求められてきます。
実は、テレビのニュースも同じように、結論から詳細へという構成になっています。
最初に、アナウンサーが顔を出して、結論にあたるニュースの概要を話し、視聴者に大枠をインプットしてもらいます。
その後、映像とともに、ニュースの詳細を伝え具体的な内容を理解してもらう、といった流れを組んでいます。
さらに、結婚式のスピーチですと、「本日は新郎の何事にも丁寧な性格についてご紹介します」といえば、この段階で聞く人の頭の中には、「丁寧な性格、どんなところかな?」と興味を持って、話を聞く姿勢が作れるんですね。
この場合、結論から話す際の流れを、簡単に挙げてみると、
●結論 例)「新郎は何事にも丁寧な性格」
↓
●理由 例)「仕事のやり方で一目瞭然」
↓
●具体例 例)「特に、会議資料の文字やグラフの見やすさが群を抜いている」
↓
●結論 例)「丁寧な性格は相手への配慮が大前提、新婦への気配りも忘れないでしょうし、明るい家庭を築ける」
といったものになります。
さらに、結論から話す意識を高めると、話す側へのメリットとして、結論に即して理由や具体例を選べばよいという、話の道筋をイメージしやすくなります。
考える負担が軽減されるわけです。
セミナーや講演にとどまらず、様々なビジネスシーンで使う場面が出てきますので、まずは、結論から話すことを意識してみてください。
セミナーや講演に活かす!わかりやすい伝わる話し方のコツ その2:ストーリーテラー型
次に、変化を加えまして、具体例から結論を導く話し方に注目します。
具体例≒物語の部分が多くなる構成ですので、「ストーリーテラー型」と名付けています。
例えば、簡単にまとめてみると、次のような内容になります。
↓↓↓
例1:こんな方がいらっしゃいました、大きな声が出せずスピーチが苦手。
例2:別のご相談者は、早口で聞き取りにくいとよく言われる。
例3:最後にご紹介するのは、長時間、話すと、声がかれてしまう。
結論:この3名に対しては、発声の基礎を徹底的に確認しました。
理由:発声の基礎を見直すことで、口の動きや呼吸法を把握でき、人前で話す悩みを解消できると感じたからです。
例1の詳細:大きな声が出ないということで腹式呼吸や口の開きをチェックし、遠くにも届く声に変わりました。
例2の詳細:早口に対しては、一音一音丁寧に出すことを意識してもらい、聞き取りやすいスピードになりました。
例3の詳細:最後の方については、腹式呼吸を意識してもらい、喉への負担が少ない話し方を身に着けてもらいました。
結論:話し方の基礎は、人前で話す際の様々な悩みを解消させてくれますので、話し方のトレーニングに取り組んでみましょう。
↑↑↑
といった流れです。
最初に具体例を並べ、その共通点から結論を提示し、具体例の結果、まとめという構成です。
ビジネスマン型と併用することで、セミナーや講演の流れに変化を加え、受講者や聴衆の気持ちを切らせません。
また、複数の具体例≒ストーリーが出てくることから、イメージしやすく再現性も高まり、聞き手の納得、信頼を得られる可能性が大いに期待できます。
一方、具体例の紹介で時間が少々かかりますので、結論として何を伝えたいのか明確に示すことを忘れないようにしてください。
また、そもそも具体例の数が複数必要なので、真の得意分野やエネルギーを費やしてきたことなど、経験が豊富な部分を語る際に使うといいでしょう。
具体例は、聞き手の頭の中に映像として浮かんできやすい部分ですので、ストーリーテラー型を活用することで、より、理解を深めやすくなるように方向付けていきましょう。
セミナーや講演に活かす!わかりやすい伝わる話し方のコツ その3:アーティスト型
ここからは、ことわざにあります「風が吹けば桶屋が儲かる」にちなんだ話し方をご紹介します。
これは、クリエイティブな感覚が求められるので「アーティスト型」と名付けます。
ちなみに、「風が吹けば桶屋が儲かる」を初めて聞いたとき、「風」と「桶屋」は関係のない結びつきのように感じませんでしたか?
このことわざは、江戸時代に書かれた文章をもとに、「何らかの事象が起きたら、めぐりめぐって思わぬところに影響が及ぶことの例え」で使われますが、その内容は、次のようなものです。
風が吹いて砂ぼこりが立つ
↓
砂ぼこりが目に入り目の見えない人が増える
↓
目の見えない人が生計を立てるために三味線を買う ※江戸時代の考えから
↓
三味線の需要が増えるとネコの皮が必要になりネコが殺される
↓
ネコが減るとネズミが増える
↓
増えたネズミが桶をかじる
↓
桶を求める人が増え桶屋が儲かる
この流れを話し方に応用したもので、最初に「どういうこと?」と思わせておき、そこから順々に、話を展開していく構成です。
このアーティスト型をもとに、話し方を学ぶメリットについて一例を出してみると…。
【話し方を学ぶと経営者になれる】
話し方を学ぶと、プレゼンがうまくなる
↓
プレゼンがうまくなると、成績があがる
↓
成績があがると、人前でスピーチする機会が増える
↓
人前でスピーチする機会が増えると、チームのまとめ役を担う
↓
チームのまとめ役を担うと、トップとしての経験が増える
↓
トップとしての経験が増えると、後継or独立して経営者になれる
といった感じになります。
この構成には、柔軟に想像しながら取り組む力が必要で、時には、強引な論理の展開も使うことになります。
この方式で話を進めるときには、1つ1つのつながりを確認しながら進めていくといいでしょう。
確認するときには、聞き手に話かけるタイミングが生まれるので、双方向で進行する可能性も出てきます。
テレビ番組制作の場面でもたまに使われる手法でして、きちんと1つ1つ取材に基づいた情報でつなげるときもありますし、あまりにも強引な進め方になった場合は、司会者が面白がって茶々を入れながら盛り上げることもあります。
コーナーにメリハリが生まれるという期待が持てるんですね。
セミナーや講演で、ちょっとした工夫をしたいと思ったときには、この「アーティスト型」があることも、思い出してみてください。